私労働小説 ザ・シット・ジョブ

底辺職歴多数の著者が、コロナ禍の今、過去の他者のケアを担う仕事体験を綴る。シット・ジョブを通して社会の底辺と闘う魂の階級闘争を希代の筆力で綴った連作短編集。
内容
『私労働小説 ザ・シット・ジョブあたしのシットはあたしが決める』は、ブレイディみかこによる労働小説です。
ベビーシッターや工場作業員、ホステスなど、数々の他者のケアをする仕事を経験してきた著者が、労働現場で出会った人々との交流や労働の過酷さを描いています。
シット・ジョブとは、店員や作業員、配達員など、当事者が自分たちの仕事を自虐的に指す言葉です。
他者のケアを担う者ほど低く扱われる現代社会で、人は自分を愛せなくなってしまうことを著者は訴えます。
著者は、労働の過酷さや理不尽さ、そして労働者の尊厳を、時に燃やし、時に傷つけ、時に再生させる私労働の日々を、魂の階級闘争を稀代の筆力で綴っています。
この商品の発売予定日は2024年4月26日です。ただいま予約受付中です。
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KindleStoreより(ブレイディ みかこ 大塚 さと)
「あたしのシットはあたしが決める」 ベビーシッター、工場の夜間作業員にホステス、社食のまかない、HIV病棟のボランティア等。
「底辺託児所」の保育士となるまでに経た数々の「他者のケアをする仕事」を軸に描く、著者初の自伝的小説にして労働文学の新境地。
「自分を愛するってことは、絶えざる闘いなんだよ」 シット・ジョブ(くそみたいに報われない仕事)。
店員、作業員、配達員にケアワーカーなどの「当事者」が自分たちの仕事を自虐的に指す言葉だ。
他者のケアを担う者ほど低く扱われる現代社会。
自分自身が人間として低い者になっていく感覚があると、人は自分を愛せなくなってしまう。
人はパンだけで生きるものではない。
だが、薔薇よりもパンなのだ。
数多のシット・ジョブを経験してきた著者が、ソウルを時に燃やし、時に傷つけ、時に再生させた「私労働」の日々、魂の階級闘争を稀代の筆力で綴った連作短編集。
■声を出さずに泣く階級の子どもがいる。
■水商売では年齢と美醜で判断されて、失礼な言葉や態度を許容することでお金を貰う。
失礼を売り、失礼を買う。
失礼は金になるのだ。
■何かを感じたり、ムカついたりする主体性のある存在として認識しない者は、相手の賃金だけでなく、人間としての主体性さえ搾取している。
■革命とは転覆ではなく、これまでとは逆方向に回転させることなのかもしれない。
【目次】 第一話 一九八五年の夏、あたしたちはハタチだった 第二話 ぼったくられブルース 第三話 売って、洗って、回す 第四話 スタッフ・ルーム 第五話 ソウルによくない仕事 第六話 パンとケアと薔薇 あとがき ※本作は「小説 野性時代」2021年4月号、22年1月・5月・9月号、23年1月・5月号に掲載された作品のオーディオブックです。
※再生時間はあくまで目安です。
また、制作の都合上、配信日は変更になる可能性があります。