人はどう老いるのか: 講談社現代新書

老化による肉体的・機能的低下を捉え、過剰な長生き願望に警鐘を鳴らす一冊。達観的な生き方で老いを迎えれば苦しみは減ると説き、長生きの現実と賢く老いる方法を提示。
内容
『人はどう老いるのか』は、老化に関する現実的な考察を提示する一冊です。
著者は、老化は避けられない身体的、機能的な衰退のプロセスであると述べています。
しかし、多くの人は老後の幸福を誇張したイメージに惑わされ、現実を直視できていないと警告します。
本書では、高齢者に接してきた経験に基づき、上手に老いるための方法を探ります。
それは、過剰な活動や永続的な若さを求めることをやめ、老化に伴う衰退を受け入れることです。
著者は、絶壁に気づかず進んでいるような状況から目が覚めるよう、読者に促します。
老化の現実を認識し、達観を身につけることで、私たちは穏やかで意味のある老後を過ごすことができます。
この商品の発売予定日は2024年6月21日です。ただいま予約受付中です。
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老いればさまざまな面で、肉体的および機能的な劣化が進みます。
目が見えにくくなり、耳が遠くなり、もの忘れがひどくなり、人の名前が出てこなくなり、指示代名詞ばかり口にするようになり、動きがノロくなって、鈍くさくなり、力がなくなり、ヨタヨタするようになります。
イヤなことばかり書きましたが、これが老いるということ、すなわち長生きということです。
にもかかわらず、長生きを求める人が多いのはなぜなのか。
それは生物としての人間の本能であり、長生きをすればいいこともいっぱいあるからでしょう。
世の中にはそれを肯定する言説や情報があふれています。
曰く、「八十歳からの幸福論」「すばらしき九十歳」「人生百年!」「いつまでも元気で自分らしく」「介護いらず医者いらず」等々。
そのことに私は危惧を深めます。
そんな絵空事で安心していてよいのかと。
思い浮かぶのが、パスカルの言葉です。
我々は絶壁が見えないようにするため、何か目を遮るものを前方に置いた後、 安心して絶壁のほうに走っているのである。
下手に老いて苦しんでいる人は、だいたい油断している人です。
浮かれた情報に乗せられ、現実を見ずに明るく気楽で前向きな言葉を信じた人たちです。
上手に老いて穏やかにすごしている人は、ある種の達観を抱いています。
決していつまでも元気を目指して頑張っている人ではありません。
いつまでも元気にこだわると、いずれ敗北の憂き目を見るのは明らかです。
老いれば機能が劣化する分、あくせくすることが減ります。
あくせくしても仕方がないし、それで得られることもたいしたものではないとわかりますから。
そういう智恵が達観に通じるように思います。
多くの高齢者に接してきて、上手に楽に老いている人、下手に苦しく老いている人を見ていると、初体験の「老い」を失敗しない方法はあるような気がします。
それをみなさんといっしょに見ていきたいと思います。
第一章 老いの不思議世界 第二章 手強い認知症高齢者たち 第三章 認知症にだけはなりたくない人へ 第四章 医療幻想は不幸のもと 第五章 新しいがんの対処法 第六章 「死」を先取りして考える 第七章 甘い誘惑の罠 第八章 これからどう老いればいいのか