
▶️ ネコソギラジカル(中) 赤き征裁vs.橙なる種: (講談社文庫)
ネコソギラジカル(中)は西尾維新の戯言シリーズ第6弾。 シリーズの最終章であり、赤と橙の対決を描きます。
内容
ネコソギラジカル(中)は西尾維新の戯言シリーズ第6弾。 シリーズの最終章であり、赤と橙の対決を描きます。 生と死の境界で動揺する人間性を鋭く切り取ることで知られる作品群の中で、主人公は人死にを経験しながらも、残酷で荒唐無稽な現実に直面し続けます。 終わりと始まりの意味を問う物語は、ドラマチックな戦いと共に展開し、読者を惹きつけます。 この本は講談社文庫から出版されており、西尾維新の代表作となっています。

▶️ ネコソギラジカル(中) 赤き征裁vs.橙なる種: (講談社文庫)
AudibleStoreより(西尾 維新 Audible Studios)
けれど――もうおしまいだ。
「戯言シリーズ」最終章! なんだかんだ言いながらも始まってしまえば我慢できるし、四の五の言っても終わってしまえば耐えられる。
しかし人間は中途半端な中庸だけは我慢することができないし、勿論耐えることもできなくて、それなのに人生ときたら最初から最後まで永遠に続く中だるみみたいなものだから、これはもうまったくもってやってられないと言うべきだ。
ひとたび口にしたことは、それがどんな荒唐無稽な世迷事であったとしてもひとつ残らず実行してきた誠実な正直者、つまりこのぼくは、10月、数々の人死にを経験する。
奪われたものを取り戻すような勢いで、せき止められたものを吐き出すような勢いで、死んで、死んで、みんな死ぬ。
それは懐かしい光景であり、愚かしい光景であり、見慣れた風景であり、見飽きた風景だった。
結局、終わりとはなんだったのか。
結局、始まりとはなんだったのか。
戯言遣いはその程度のことにさえ思い至らず、しかしどうしようもない戦いだけはどうしようもなく続き、そして中断などありうるはずもなく――戯言シリーズ第6弾